みなさんは「粘度計」を使用したことがありますか。
なんとなくその存在は聞いたことがあってもあまりメジャーな存在ではないため、具体的にどんな装置かどんな風に測定をするのか、そのイメージを頭に思い浮かべられる方は多くないかもしれません。
確かに「物質の粘度」は触れることである程度把握することができますが、その詳細を数値として比較するためには本装置は欠かせません。
そこで今回はその詳細をわかりやすく紹介します。
そもそも粘度計とはなにをするものなのか?
理系大学に通ったことがない限りそもそも「粘度計」というものを触ったことがないという方が多いのではないでしょうか。
一方でこの名を聞けば誰もがわかる通りその役目は「物質の粘度」をはかるために使用するものです。
もちろん誰もが身をもって経験したことがあるかと思いますが、そんな粘度計が計測する「粘度」は見た目や手触りである程度把握することができます。
それこそ腕利きの職人さんや料理人さんが感覚的にその粘度を調整しているなどという話は聞いたことがあることでしょう。
しかし誰もがその粘度を正確に把握しほかのものと比較するときには「粘度計」がなければそのようなことは実現できません。
なお、「粘度計」は、基本的に物体がその装置の中を通過する時間を計測することで粘度を数値として算出しています。
より詳細を説明すると装置の部品が物質の中を落下する速度、あるいは抵抗などから算出しており、機器そのものに種類が多数存在します。
粘度計は測定する物質で選ぶのが重要です
計測器の中ではメジャーとは言えない「粘度計」には複数の種類があり、対象物質の粘度の程度に合わせてその種類を使い分ける必要があります。
この使い分けを見誤ると正確な粘度を把握できなくなってしまうので注意が必要です。
代表的なものとしては最も歴史が古い細い管の中に測定したいサンプルを通しその流量と細管の両端の圧力差から粘度を測定する「細管式粘度計」は水やオイルなどの低粘度のニュートン流体の測定での使用がおすすめです。
また、サンプルを満たしたガラス管の中に球体を入れて測定する「落球式粘度計」の場合水のようなさらさらなものからはちみつのようなやや粘度の高いものまで広範囲の物質の測定が可能です。
そして現在世界標準として使われているのは「回転式粘度計」です。
その名の通り測定したい物質の中で粘度計が回転しその抵抗から粘度を算出します。
その最大のメリットは回転体部分の形によりさらに細かい種類に分かれておりさまざまな物質の測定が可能であるとともに簡易なものから精密なものまでレベル分けした評価をできる点にあります。