医薬翻訳は、医学薬学分野に関する翻訳を専門に受け付ける職業です。
医療や製薬業界に関連した英語の文章を日本語に訳す、また日本で書かれた文章を英語に訳すというのが主な仕事です。
他の翻訳と比べると年収も比較的高めで、目指す人もじわじわと増えてきています。
そこで気になるのが医薬翻訳者になるには何が必要なんだろう?ということではないでしょうか。
英語能力はどのくらいあればいい?
専用の資格などはあるのだろうか。
という疑問についてお答えしますね。
医薬翻訳には英語力だけじゃないく調査力やライティング力も求められる
翻訳家にとって絶対に欠かせない能力は英語力です。
英語が理解できなければもちろん日本語に訳すことはできませんから。
それは医薬翻訳家にとっても同じことです。
外国語で書かれた文章を正確に訳す必要がありますし、その反対に日本語を外国語で正しく伝えるという作業も避けられません。
なら英語が得意ならなんとかなりそうだ、と思うかも知れませんが、翻訳家は英語力があるだけでは足りないです。
特に医療という正確さが求められる場では、曖昧な表現を極力避け、訳したことを正確にまた明確に伝えるライティング力も求められます。
また、専門知識を必要とする医薬翻訳では、専門用語を正確に理解する調査力も必要。
現在では、わからない言葉が出てきたら、インターネットを使って探せます。
知りたい情報を探し出す力もそうですが、その情報が果たして正しいのかどうか、その確実性を吟味するところまでが調査力です。
ということで、医療翻訳に必要な力は「英語力」「調査力」「ライティング力」の3つになります。
翻訳者登録制度により資格が必要になる可能性がある
翻訳の仕事は、一般的に翻訳会社を通して得ます。
仕事を依頼する企業から直接仕事を受けるケースは少なく、ほとんどの翻訳家はこうした会社を通して受注しています。
登録されるためには、書類審査と、会社が用意している「トライアル」と呼ばれるテストを受けて合格する必要があるんですね。
なので、この2つさえクリアすれば翻訳家として活動できるわけなのですが、医療に関する知識が全くない状態から医療翻訳家を目指す場合は、登録前に医療系の翻訳講座を受講するなど、ある程度の知識とスキルを身に着けておいたほうが後々有利になります。
それなら特別資格がいらないのでは?と思われるかも知れませんが、2017年4月から日本で翻訳者登録制度が立ち上がり、多くの会社がこの制度を利用し始めています。
この制度は、ISO17100という国際標準規格で、翻訳者の資格と力量について明確な立場を取っています。
つまり、今後資格が必須になる可能性が出てきているんですね。
これから医療翻訳家を目指すなら、こうした動きにも敏感になりながら、しっかりと準備をしていきたいところです。